過敏性腸症候群の方の睡眠時間について気を付けて欲しいポイント
過敏性腸症候群を引き起こす原因の一つには、自律神経の乱れがあります。
自律神経が乱れる理由は非常に多岐に渡るため、何によって自分の自律神経が乱れているのか把握することがとても重要になってきます。
その理由の一つに、睡眠の問題があります。
当院に来院されたM君も、睡眠が主な原因で自律神経を乱し、過敏性腸症候群に悩んでいた患者さんです。
M君は高校一年生の男の子です。
過敏性腸症候群になったのは、一年ほど前、中学三年生の頃からだと言います。
朝、学校を登校する前にお腹が痛くなりだし、1、2時間ほど腹痛が続いて、トイレから出られなくなることが、頻繁に起きました。
「学校に遅刻せずに行きたいと思ってるのに、お腹がずっと痛くて、トイレから全然出られないんです」
自然と遅刻する日が増え、普通に通学することが難しくなってしまっていました。
M君は親御さんと一緒に病院に行き、検査を受けます。
そこで過敏性腸症候群と診断を受けます。
病院で処方された薬を飲みましたが、トイレにこもる日々は続きました。
そして、そんな日々が中学校を卒業し、高校生になってからも続きます。
「病院には通っていたんだけど良くならないので、このままずっと続くのか、と不安になりました」
M君と親御さんは、別の治療法を探しはじめました。
いろいろ探してたどり着いたのが、当院ホームページでした。
親御さんに車で連れられて、M君が来院しました。
当院で問診や検査をした結果、過敏性腸症候群を引き起こしていた原因が分かります。
自律神経の乱れによって腸の働きが乱れてしまい、症状を引き起こしていました。
特に体の状態で問題になっていたものが二点あります。
姿勢が悪くなって首に負担がかかっていたこと。
そして、睡眠の時間帯が遅くなっていたことでした。
M君は学校から帰ってきて、特にやることもないので、昼寝を二時間ほどすることが多かったそうです。
お昼に寝たために夜はなかなか眠くならず、ゲームを二時、三時ぐらいまで続けて遊んでいました。
長時間集中してゲームをしていたことで、自然と頭が前に突き出て、首に負担がかかっていました。
また、一日の総睡眠時間は十分でも、夜に寝るのが遅くなったことで、睡眠の質に問題が起きていました。
睡眠時間が一緒でも、寝てる時間帯がずれると、自律神経が乱れてしまいます。
これらの問題から症状を引き起こしていました。
当院の治療は、M君の乱れた自律神経を整えるため、バランスの崩れた首の調整をし、負担のかかる姿勢をキレイにしました。
その上で、日常生活の過ごし方についても、注意点をお伝えしました。
M君に訊ねたところ、ゲームの時間が長いのは、あくまでも寝れないことが一番の理由だということでした。
そのため、昼寝の時間を減らし、12時までには寝てもらうようにお伝えしました。
M君のお父さんは仕事が非常に忙しいそうですが、通院するために時間を作って車で息子さんを送り、通院されていました。
当院に通院するうちに、M君の症状はどんどん改善していきました。
トイレにこもる時間は少なくなり、ついにはこもらず学校に通えるようになりました。
「ぜんぜんお腹が痛くならないです」
夜しっかりと寝ることで、長時間の昼寝をすることもなくなりました。
M君は現在、毎日元気に高校に通っています。
自律神経を乱さないための睡眠時間のとり方
過敏性腸症候群を引き起こす原因の一つに自律神経の乱れがあります。
自律神経はいろいろな原因で乱れますが、その中でも睡眠時間・質に問題があると、とても大きな影響を受けます。
日本人の平均睡眠時間は、世界で最も短いと言われています。*1
寝不足が体に悪いことは、多くの方が知っています。
ただ、睡眠時間に気を付けている方でも、時間帯によって質に大きな影響があることはあまり知られていません。
睡眠時間として最も質が高くなるのは、夜の22時から深夜2時までの間と言われています。
この時間帯に可能な限り睡眠が取れると、自律神経が安定し、過敏性腸症候群の改善に効果的です。
とはいえ、忙しい人が学校や仕事帰りに夜10時に寝るというのは、大半の方が難しいことかもしれません。
その方の生活スタイルの可能な範囲で、眠るようにしてみてください。
睡眠は自律神経の問題だけでなく、体や脳の成長にもとても重要です。
あまり寝れていないなと自覚のある方は、睡眠の長さだけでなく、時間帯についても気を付けてみてください。
1)睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
当院での過敏性腸症候群の治療を知りたい方は、コチラをご覧ください。
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